薄毛改善のために運動を取り入れることは非常に素晴らしい心がけですが運動後のケアを怠ってしまうとせっかくの努力が水の泡になるどころか逆に頭皮環境を悪化させ薄毛を加速させる原因になってしまう可能性があるため注意が必要です。運動をしてかいた汗自体は体温調節や老廃物の排出という重要な役割を果たしており決して悪いものではありませんが問題なのはその汗を長時間頭皮に放置してしまうことにあります。汗は分泌された直後は弱酸性で無菌状態ですが時間が経つとアルカリ性へと変化し皮膚の常在菌であるマラセチア菌などが繁殖しやすい環境を作り出してしまいます。菌が増殖すると皮脂や汗に含まれる成分を分解して遊離脂肪酸という刺激物質を作り出しこれが頭皮の炎症やかゆみを引き起こし最悪の場合は脂漏性皮膚炎となって抜け毛の直接的な原因となります。また汗に含まれる塩分が乾燥して結晶化すると毛穴を塞いだり髪の水分を奪ってパサつきの原因になったりすることもあり汗と混ざった皮脂が酸化して過酸化脂質となると頑固な汚れとなって毛穴に居座り毛根の呼吸を妨げてしまいます。したがって運動後は可能な限り早くシャワーを浴びて汗や皮脂を洗い流すことが鉄則ですがジムなどですぐにシャワーが浴びられない場合でもタオルでこまめに汗を拭き取るなどの対策が必要です。ただし汗を拭く際にゴシゴシと力を入れて拭くと摩擦で頭皮を傷つけたりキューティクルを剥がしたりしてしまうため吸水性の高いタオルで優しく押さえるようにして水分を吸い取ることが大切です。また一日に何度も運動をしてその都度シャンプー剤を使って洗髪をすると必要な皮脂まで洗い流してしまい頭皮のバリア機能が低下して乾燥を招く恐れがあるためシャンプー剤を使うのは夜の一回にし日中の運動後はぬるま湯で汗を流す湯シャンに留めるのが賢明です。帽子を被って運動する場合は通気性の良いものを選びこまめに脱いで蒸れを防ぐことも重要であり紫外線対策と蒸れ対策のバランスを取ることが求められます。運動は髪にとってプラスの要素が大きいですが「汗の始末」という最後の一手間を惜しまないことが健康な頭皮を維持し運動の効果を最大限に引き出すための必須条件なのです。