日々のヘアケア習慣は、髪を美しく保つために行いますが、その方法によってはかえって髪や頭皮に負担をかけ、薄毛の原因となってしまうことがあります。薄毛を予防するためには、普段行っているヘアケア習慣を薄毛予防の視点から見直し、改善できる点がないか確認することが重要です。まず、過度なシャンプーや洗浄力の強すぎるシャンプーの使用です。前述の頭皮ケアでも触れましたが、シャンプーのしすぎや、頭皮に必要な皮脂まで根こそぎ洗い流してしまうような洗浄力の強いシャンプーは、頭皮の乾燥やかゆみ、バリア機能の低下を招き、頭皮環境を悪化させます。自分の頭皮に合った、優しい洗浄成分のシャンプーを使い、一日に何度も洗う必要はありません。次に、間違ったブラッシング方法です。髪が濡れている時はキューティクルが開いて傷みやすいため、濡れた髪を無理にブラッシングすると髪が切れやすくなります。洗髪前や、髪が乾いた状態で、毛先のもつれを先にほどいてから、髪全体を優しくブラッシングしましょう。頭皮を強くこすりすぎるのも頭皮への刺激となるため避けてください。ブラシは、先端が丸くなっているものや、髪や頭皮に優しい素材のものを選ぶと良いでしょう。また、ドライヤーの熱風によるダメージも注意が必要です。熱すぎる風を髪や頭皮に長時間、至近距離で当て続けると、髪の乾燥やキューティクルの損傷、頭皮の乾燥を招きます。ドライヤーは髪から15〜20cm程度離し、同じ場所に当て続けないように振りながら乾かしましょう。完全に乾かすのではなく、少し湿り気が残る程度にすることで乾燥を防げます。温風と冷風を使い分けるのも有効です。そして、髪を強く結びすぎるヘアスタイルも薄毛の原因となることがあります。ポニーテールやお団子、コーンロウなど、髪や毛根に継続的に強い牽引力がかかるヘアスタイルを長時間続けると、牽引性脱毛症というタイプの薄毛を引き起こす可能性があります。特に生え際やこめかみが薄くなる傾向があります。髪を強く結ぶことを日常的に行っている人は、たまには髪をほどいて頭皮を休ませたり、緩めのヘアスタイルにしたりといった工夫をしましょう。さらに、頻繁なカラーリングやパーマも、髪や頭皮にダメージを与える可能性があります。使用する薬剤は髪の内部構造を変化させたり、頭皮に刺激を与えたりします。
見直したいヘアケア習慣薄毛予防の視点